現代の木造住宅の工事現場で、大工に規矩術が求められる工事は多くはありません。
しかし新築や増築における寄棟屋根(よせむねやね)の下地においては規矩術が非常に役立ちます。
また、改築では既存屋根と増築屋根が取り合う納まりの部分でその技術が活かされます。
忘れないようにしたい重要な勾配は次の四点です。
・長玄と殳(返し) :鼻かくしの上端、隅木の上端
・中勾と殳(返し) :鼻かくしの成
・欠勾と殳裏目(返し):隅木の成
・隅勾配×垂木間隔 :配付垂木の間隔
配管などの貫通部をくり抜く墨出しには、八角形の墨をよく使います。
・配管径×(√2ー1):八角形の辺の長さ
* (√2ー1)は約0.42
*八角形にすることで、丸ノコでの加工が容易になります。
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